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【日本の元気 山根一眞】「スマホ依存」に警鐘! 若い世代に「リアル世界」伝える重要性 (1/2ページ)

 私が獨協大学で講義を始めたのは2009年だが、この約10年間に他の若い世代同様、学生たちは大きく変わった。最大の変化はスマホ依存が大きくなったことだ。「スマホ依存症」という言葉がよく使われているが、これは病的な症状を超えて人類の脳が新しいインターフェースを獲得したことを意味しているのではと思う。人類が言語を使うようになった進化に匹敵、いや劣化かもしれないが。

 いつの時代でも旧世代は、新メディアが力をもって普及し始めると拒否反応を示すことは承知しているが、この10年、学生を見続けてきた私には、スマホの完全定着が深刻な影響をもたらしていると思うことが増えた。SNSがコミュニケーションの中心となった経緯と問題点、その精神的社会的影響や文化の変容を深く調べ、いずれ本にまとめたいと計画しているが、こういうコミュニケーションとともに重要なのが、情報や知識の収集源がスマホによるネット依存となった点だ。

 もちろん私もネットを駆使、記事を書く時には手放せない。検索機能の一つ「Google Scholar」では膨大な数の世界の論文を調べ読むことが可能なことはその一例だ。だが一般の若いスマホユーザーは、そんなすごい検索機能は利用していない。適当にGoogle検索で出きた情報を読み、わかった気になって終わりだ。だがGoogle検索は、人気閲覧サイト順に表示されているので、ウソ情報や他からの孫引き情報がトップになっている例が少なくない。その情報を鵜呑みにし、共有し、わかったつもりになっていることが多いのだ。

 と言いつつ、私はインターネットの商業利用開始前の1980年代末からデジタル通信の活用と情報端末の利用を煽りに煽り、およそ20冊の関連本を書き全国で500回以上の講演を行ってきたのだから罪は深い。そういう私の懺悔と贖罪(しょくざい)のためにできることは、若い世代に対して正しい情報をどう身につけるかを伝え、また徹底した「リアル」世界への関心と興味を喚起する努力だと思うようになった。

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