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【高橋洋一 日本の解き方】日銀の議事録でも浮き彫り リーマン・ショック対応の優柔不断…日本経済を心配すべきだった (1/2ページ)

 日銀が2009年1~6月の金融政策決定会合の議事録を公開した。リーマン・ショック後の政策対応について、「葛藤」や「苦悩」などの表現で報じられているが、議事録から見えてくることは何か。ほかにできることはなかったのか。

 日銀は09年1月、企業が資金調達のため発行するコマーシャルペーパー(CP)を最大3兆円、2月社債を最大1兆円買い取ることをそれぞれ決定した。

 当時の白川方明(まさあき)総裁は「個別の民間企業の信用リスクを直接引き受ける点で財政政策に近くなる」という他の委員の意見に同意した。さらに、損失発生の恐れに言及し最終的に納税者に影響が及ぶ可能性や、中央銀行に対する素朴な信頼感を崩していく可能性を懸念したという。

 もっとも、こうした優柔不断な態度は、スピード感がないとして市場から批判されていた。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は08年12月にゼロ金利政策の導入を決めた。しかし、日銀の当時の政策金利は0・1%で、市場から金融緩和が不十分だと指摘されていた。2月の金融政策決定会合で竹下亘財務副大臣は「中途半端と言うと言葉が悪いが『やるなら腹を決めてやれ』という思いもした」と発言したくらいだ。

 それもそのはず、ハッキリいって、簡単な話を長い時間をかけて検討していたからだ。冒頭の証券買い入れでは、リスクを強調するのは日銀の保身でもある。しかも、その中身があやふやだ。

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