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【大前研一 大前研一のニュース時評】偽装留学生と消えたコンビニ店員… 「外国人労働者」を前向きに考える時代に (1/2ページ)

 私の住む町のコンビニでは、最近、中国人留学生のアルバイトが一気にいなくなった。理由のひとつに、昨年1月に改正通訳案内士法が施行されたことがある。

 政府は2020年に訪日外国人旅行者を4000万人とする目標を立て、これに向けて各種の規制緩和を進めている。改正通訳案内士法では、通訳案内士の業務独占規制が廃止され、だれでも有償での通訳案内が可能になった。

 それにより、中国からの訪日旅行客をガイドする中国人留学生が増えた。本来、旅行客をクルマに乗せてカネを取ったら、二種免許が必要になるが、「友達が来ているんで案内しています」という連中もいる。

 ということで、中国人留学生は、インバウンド相手にボロもうけして、急にリッチになった。そうすると、早い話、コンビニで働く必要がなくなって、いま、コンビニから中国人留学生は払底して景色も変わってしまった。

 さらに、次のような問題もコンビニの人手不足の深刻化を加速させている。東京福祉大で留学生が16~18年度で1610人も所在不明になっていた問題で、文部科学省は6月、特に所在不明者が多い「学部研究生」の新規受け入れを当面は見合わせるよう指導をした。

 同大が受け入れを申請しても、出入国在留管理庁は「留学」の在留資格を付与しない。正規課程と別科の留学生受け入れもこれまで以上に審査を厳格化することにした。この影響で、コンビニからも一部留学生がいなくなってしまったわけだ。

 とはいえ、現在も都市圏のコンビニでは店員の多くが外国人だ。彼らは留学生や実習生を装って来日しているが、本当は出稼ぎ目的で入国している。この流れは止まらないだろう。政府は外国人が「単純労働」を目的に入国することを認めていないが、きちんとした制度が必要になってくるのではないか。

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