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【高橋洋一 日本の解き方】「リブラ」はなぜ警戒される? 匿名性と金融政策無効を懸念、米国が間接規制する恐れも (1/2ページ)

 先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、米フェイスブックが計画する暗号資産(仮想通貨)「リブラ」の影響力への「重大な懸念」を共有、規制を含む対策を早急に策定することで一致したという。リブラはなぜ各国に警戒されているのか。

 暗号資産を各国が警戒するのは、「通貨」に酷似しているからだ。

 「通貨」とは、これまで主として国家が発行主体になる現金通貨だった。もっとも、経済学では「通貨」には、現金通貨のほか、銀行が発行する預金を加えている。預金通貨の中では、当座預金が現金通貨とほぼ代替的であるが、普通預金や定期預金になると現金通貨から遠くなる。

 金本位制の時代には、現金通貨は金(ゴールド)が裏付けだった。これをバランスシート(貸借対照表)で見ると、「資産」に金があり、「負債」の現金通貨とバランスしている。今の管理通貨制度でも資産は金ではないものの、この見方を適用できる。

 現在、銀行の預金通貨の裏付けは貸出資産や有価証券であるが、そのバランスシートをみれば分かるし、その健全性は銀行検査によって担保されている。

 ただ、「通貨」の所有者の特定は異なる。国家発行の現金通貨では所有者は特定されず匿名性を持つが、銀行発行の預金通貨では所有者は本人確認される。匿名性は現金通貨の特権だといえる。

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