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【高橋洋一 日本の解き方】「現代貨幣理論」と「リフレ政策」の違い 実は数式モデルは同じだが…そう言えない政治的な事情 (1/2ページ)

 MMT(現代貨幣理論)の提唱者の1人とされるステファニー・ケルトン教授が来日し、話題となった。

 筆者はMMTの「教科書」とされている書物を読んだが、モデルが数式で構成されていないので分かりづらかった。筆者の周りの経済学者にも似たような印象を持っている人は少なくない。

 数式モデルを勝手に想像してみると、おそらくリフレ政策と同じだろうという結論だった。そこで、日本でMMTを提唱している人たちに問い合わせると、予想通り、リフレ政策と同じという回答だった。

 リフレ政策は、(1)ワルラス式(2)統合政府(3)インフレ目標-が構成要素だ。読者の中には、モデル式なんてどうでもいい、過去の自然科学の歴史の中には式なしの発想も大発見になった例もあるという人もいるかもしれない。数学言語が未発達な昔にはそうした事例もなくはないが、今では科学で数式モデルは必須だ。アインシュタインの相対性理論もリーマン幾何学とテンソル解析で書かれている。

 何より、数式モデルがないと学者レベルだと相手に誤解を与えるので、この意味で数式モデルは今や必須だ。

 リフレ政策のモデルは統合政府なので、財政政策も金融政策もどちらも協力すれば有用だ。インフレ目標までは、国債買い入れの金融緩和と国債発行の積極財政の合わせ技、政府通貨発行による積極財政など、いくらでも多種多様な政策を考えることができる。その場合、一般的に統合政府のバランスシート(貸借対照表)は改善するので、財政赤字や財政破綻も考えなくてもいい。これは、MMTでも強調されている。

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