記事詳細

【昭和のことば】教育に有用か有害か議論が分かれる 偏差値(昭和51年)

 この年、都教委は公立中528校での「業者テスト調査結果」を発表。全体の8割が月1回以上、授業に組み入れて実施、業者テストを「共通テスト」として偏差値をはじき出している実態が明らかになった。これが「偏差値教育」の弊害を指摘していく流れの先駆けとなり、後の1990年代前半に、文部省の指導のもと、公立学校から「偏差値」が一掃されていくことになる。

 偏差値自体は60年代ぐらいから徐々に使われだし、高校受験・大学受験の予備校などでは、70年代、80年代を通して盛んに使用されていた。

 この年の主な事件は、「鹿児島市で五つ子誕生」「ロッキード事件」「映画俳優が小型飛行機で児玉誉士夫宅に突入し死亡」「『四畳半襖の下張』がワイセツ文書で有罪判決(野坂昭如)」「三木おろし表面化、党内抗争に発展」「核拡散防止条約、参議院本会議で批准承認を可決」「新自由クラブ結成」「東京地検、田中角栄前首相逮捕」「ソ連のミグ25戦闘機(操縦士ベレンコ中尉)、函館空港に強行着陸」「鬼頭史郎京都地裁判事補・ニセ電話事件が表面化」「山形県酒田市で大火」「福田赳夫内閣成立」など。

 スポーツでは、第21回モントリオール五輪に参加。具志堅用高が、WBAジュニアフライ級世界王座を獲得した。

 偏差値が教育に有用なのか有害なのかは議論が分かれるところだ。だが、私学では現在も積極的に導入し、公立学校との「不公平感」なども問題になっている。もはや偏差値は必要不可欠なものなのかもしれない。

 優劣の数値化。そのこと自体が悪いのではない。もうひとつの側面、事務的な選別や過当競争による「人間性の喪失」が問題となるのだ。(中丸謙一朗)

 〈昭和51(1976)年の流行歌〉 「およげ!たいやきくん」(子門真人)「北の宿から」(都はるみ)「ペッパー警部」(ピンクレディー)

関連ニュース