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【大前研一 大前研一のニュース時評】ジョンソン英新首相に高まる「早期失脚」の声 英紙は皮肉「彼ができるのはトランプ氏と仲良くなることだけ」 (2/2ページ)

 物議をかもす発言も多い。その1つ、「英国はEUに毎週485億円支払っている」という主張は、EU離脱の根拠にもしていた。しかし、これはフェイク・ニュース。英国への払い戻しなどがまったく考慮されていない金額だった。

 FTの論説委員だけでなく、「この人はとんでもないウソつき」「言ったことは、これまで1つも当たったことはない」「驚くべき誇大妄想」と論評する人も多い。ということで、英国のまともなジャーナリストは「ジョンソン内閣は長くは続かないだろう」と読んでいる。

 「合意なき離脱」を強行しようとすれば、「合意なし」に反対の議員が多数の下院は「ノー」となるだろう。基本的には不信任案が出されて可決され、内閣が崩壊して総選挙になる。

 その段階で「10月末の離脱期限を延ばしてほしい」とEUに要望することになる。総選挙になれば、EUとしても延ばさざるを得ない。総選挙によって新しい政権が生まれて、再びEU離脱の国民投票が行われる可能性も出てくる。あるいは総選挙の争点そのものが国民再投票ということも考えられる。

 とりあえず保守党の票集めには成功したが、この後、ジョンソンのような人間が英国首相を長く続けられるという保証はほとんどない。元々、「何でもいいから首相になりたい」という人なので、「なれてよかったね」ということで、早いうちに不信任案を出して失脚させてほしい-。こういう意見が英国のエリート雑誌、エコノミストなどからも聞こえてくるようになった。

 ■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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