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【高橋洋一 日本の解き方】消費増税と円高加速の懸念… 世界経済の不安材料山積で、追加緩和策出し渋る恐れも (1/2ページ)

 約10年半ぶりに利下げを行った米国をはじめ、各国が金融緩和基調を強めている。秋に消費増税を控える日本に円高懸念はないのか。

 為替決定の理論は、経常収支で解説される「フロー・アプローチ」、マネーサプライ(通貨供給量)に基づく「マネタリー・アプローチ」、長短金利に基づく「アセット・アプローチ」、物価指数に基づく「購買力平価」などがある。

 為替は資産市場での価格形成なので、ストックで考えざるを得ない。政府が介入しない変動相場制であればストック均衡だ。この意味で、フロー・アプローチは現時点では意味がない。

 マネタリー・アプローチとアセット・アプローチ、購買力平価は、根本原理は一つで、それぞれ見ているところが違うだけだ。マネタリーベース(中央銀行が供給する通貨)からマネーサプライが決まり、同時に実質長短金利差も決まる。また、ちょっと長い目で見れば物価水準も決まる。

 というわけで、円相場は、日米のマネタリーベースの比率で「だいたい」説明可能で、中短期では日米の実質金利差でも比較的うまく説明できる。

 10月に消費税率が10%に引き上げられると、日本の予想インフレ率が低下する可能性がある。となると、名目金利から予想インフレ率を引いた実質金利は高まるかもしれない。

 一方、米国では、今後の金融政策次第であるが、追加利下げがあれば名目金利は下がる。もし追加利下げがなければ当面は名目金利は動かない。いずれにしても、日米の実質金利差は広がり、日本の実質金利のほうが相対的に高くなるだろう。これは、円高懸念だといえる。

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