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香港デモ“ゲリラ戦”148人逮捕 「社会に暴力を止める装置がない」

 香港の騒動が過激化している。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐり、市民による抗議活動が続く中、5日から6日未明にかけては市街地で“ゲリラ戦”を展開する若者らに、警察が約800発の催涙弾で応戦し、13~63歳の148人が逮捕される事態に。5日にはゼネストにも発展し、国際金融都市、香港の経済の先行きに懸念が強まっている。

 「香港を取り戻せ」「時代の革命だ」。黒い服にガスマスク姿の若者らは5日から6日未明にかけ、「ゲリラ戦」(地元紙)を実施。少なくとも12の警察署を包囲して投石やごみに火を付けることを繰り返し、中国国旗を海に投げ捨てた。

 7月の立法会(議会)突入など過激なデモには香港独立志向の若者らが関与。過激化した若者らのデモは、香港政府や中国への反対運動の様相を呈し、次第に感化される若者が増えているとの指摘もある。

 5日に行われたゼネストには、民主派労働団体によると推定約35万人が参加。6日も午前時点で日本発着便を含む約50便の欠航が決まった。ゼネストに呼応した若者らの交通機関妨害に怒った市民とデモ隊との争いも多発した。

 香港政府トップの林鄭月娥行政長官は5日のゼネストを受け、「一部の過激分子が『革命』を高言し、国家主権に挑戦している」と非難、先鋭化した若者と市民との分断を図った。だが市民の多くは、改正案の完全撤回や警官隊の「暴力」を調べる独立調査委員会の設置など、若者の要求に応じない政府に批判的だ。2014年の大規模民主化デモ「雨傘運動」が内部対立で失速した教訓から、民主派も過激デモを容認。「社会に暴力を止める装置がない」(外交筋)状況に陥っている。

 中国本土からの団体観光客も減少しているとされる。香港社会の混迷は深まっている。(共同)

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