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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「夏休み」》住宅地の中に思わぬ“涼”

 8月も後半にさしかかり、暑さが続く首都圏。せっかくの夏休みでも熱中症にならないようにと、外で遊ばず屋内にこもる子どもも多いのでは。

 いい遊び場、とまではいかないが、いっときの“涼”を与えてくれる道路を見つけた。横浜市南区の歩行者専用トンネル、大原隧道(おおはらずいどう)だ。うだるような暑さのなかトンネルに入ると、体感でマイナス5度くらいひんやりすることに、まず驚いた。

 全長254メートル。わずか3分ほどで歩き切ってしまう。車両は通らないので天井は低く、人がやっとすれ違えるほどだが、学生や買い物袋を提げた主婦がひっきりなしに行き交う。

 自転車から降りて、通行する人も多い。入り口も出口も、大通りに面しているわけではないので、初めて来る人にはちょっとわかりにくいかもしれない。

 もともとは1928年、関東大震災からの復興工事で、水道管を敷設するために掘られた。水道管が受けたダメージの修復と、当時生活用水がまだ整備されていなかったための、神奈川県の磯子・蒔田エリアへの排水強化が目的だった。その後、周辺に団地が建ち人口が増え、72年に住民の要望を受けて生活道路として整備されたという。90年前にできた復興トンネルは、今も住民の役に立っているようだ。

 歩行者専用の小さいトンネルが珍しいのか、またはノスタルジックな雰囲気からか、有名歌手がミュージックビデオに使ったり、ドラマのロケ地になったりもしている。

 写真を撮ろうと望遠レンズを向けると、満ち欠けする月のように並ぶ蛍光灯が、ほの暗くひんやりとしたトンネルの中を照らす。小さな“涼”は、静かな住宅街にぽっかりと口を開けていた。(水)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。8月のお題は「夏休み」です。