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【高橋洋一 日本の解き方】最低賃金の「地方間格差」縮小は2015年度から進んでいる 雇用の改善を反映した結果 (1/2ページ)

 2019年度の最低賃金(時給)の改定額について、最高の東京都と最低の県の格差が223円と、18年度の224円から1円縮小となった。金額差の改善は16年ぶりだ。

 東京と最低県の金額差は、03年度に103円で前年より1円縮小したが、その後、拡大し続けた。縮小したといっても、金額差でみるかぎり、まだ223円の格差が残っているともいえる。

 しかし、地方間の格差として、最高の東京都と最低の県の「金額差」で捉えるのは、ミスリーディングだ。というのは、最低県の最低賃金は毎年上昇しており、格差は東京の最低賃金と最低県の最低賃金の「金額比」で見た方がより適切だ。

 03年度の金額比は1・170だったがその後上昇し、14年度には1・312になった。しかし、15年度から低下に転じて、今回の19年度に1・282まで小さくなった。

 最低賃金の最高と最低だけではなく、上位と下位それぞれ5都道府県の平均を取り、その金額比でみても、同じ傾向で、ピークは14年度であり、その後は低下している。要するに、最低賃金での地方間の格差は、安倍晋三政権になってから縮小しているのだ。

 このコラムでは、全国ベースの無理のない最低賃金の上昇率は、「5・5」から前年の失業率を差し引いた数値程度が結果として適切だと書いてきた。

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