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【高橋洋一 日本の解き方】年金財政検証「あおり報道」の怪 中身は5年前とほとんど同じ…重用される当局寄り「破綻」論者 (1/2ページ)

 厚生労働省による公的年金制度の財政検証をめぐっては、公表の時期が遅れたことや、2047年度の受給額の実質的な価値が、19年度に比べて2割近く目減りすることが報じられている。

 年金は多くの人の関心事だが、その原理はあまり知られていない。そのため「年金破綻」など事実を無視してあおるマスコミも多い。そうしたあおりは、マスコミのスポンサーである金融機関に好都合で、その商売に直結していることもあってか、なくなることはない。

 先般、金融庁の報告書で「老後資金2000万円不足」が一時、社会問題化したが、こうした背景を見れば、マスコミ、金融庁と金融機関の「合作」と考えればわかりやすい。

 改めて指摘すると、年金は長生きに備える「保険」なので、基本原理は驚くほど簡単だ。

 ざっくりいうと、平均的な寿命の人で、20歳から70歳まで50年間、所得の2割の保険料を払い、70歳から90歳まで20年間、所得の5割の年金を受け取る。90歳より早く死ねば受取額は少なく、90歳より長生きすれば多くもらえる。

 このような簡単な関係式で成り立っているので、出生率の予測さえ間違わなければ破綻するような制度ではない。なお、今の年金制度は、02年人口推計に基づくが、ここ20年近くは外れていない。

 所得の5割で生活できるかどうかは人による。いずれにしても、「ねんきん定期便」を見れば、自分の払った保険料と、もらえる年金額が書かれているのでチェックしてほしい。

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