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【高須克弥 Yes!高須のこれはNo!だぜ】川崎殺傷、京アニ放火…凶悪事件のトリガーを特定するのは難しい 「引きこもり=危険人物」ではない (1/2ページ)

 今から20年以上前、神戸市で「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」と名乗った少年による連続殺傷事件があった。当時は少年や若者の犯罪が新聞やテレビで大きく取り上げられて、社会を震撼させていたんだ。では現在はというと、中年や高齢者の犯罪、交通事故が問題視されている。

 今年5月に川崎市で通学途中の児童らを襲って自殺したのは50代の男性、翌月には東京都練馬区で70代の父親が引きこもりがちだった40代の息子を殺害するという事件が起きた。さらに京都アニメーション放火事件の容疑者は40代。池袋で起きた80代の高齢者による交通事故も大きな議論を呼んだ。

 「中年の引きこもり」が騒がれたこともあったけど、引きこもりを凶悪犯罪と結びつけるのは無理がある。引きこもり=危険人物というわけじゃないからね。それまで周りから見ればごくごく普通に暮らしていたように思えるのに、いきなり何らかの原因で凶悪犯罪を起こしてしまうという例は、いくらでもあるよ。

 何年か前、名古屋大学に通っていた女子学生が殺人を犯して、その動機について「人が死ぬのを見たかった」と語ったということがあった。彼女だって名古屋大学に入学するくらいだから、子供のころから優秀で、いい成績だったのだろう。周囲からの評価も高かったはずだから引きこもりじゃない。秀でた才能を発揮しているように見えていたはずなのに。

 日本人におなじみの「忠臣蔵」だってそうだ。浅野内匠頭が藩の威信をかけた接待の場で吉良上野介を切りつけて、「殿ご乱心!」となり切腹。赤穂浪士討ち入りのきっかけとなってしまったんだ。

 つまりね、何が凶悪事件を起こすトリガーなのかを特定するのは難しい。「若者だから」とか「中年の引きこもりだから」とかじゃないんだよ。

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