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【昭和のことば】「ドッキング」する前の甘酸っぱさにも似た興奮… 米宇宙船ニュースで話題「ランデブー」(昭和40年)

 一対の男女がいるさまやデートを表す言葉は、カップル、アベックなど、いくつかある。この「ランデブー」もそんなことばのひとつだ。もとは、待ち合わせ、会合、デートなどの意味のフランス語で、宇宙開発の分野では人工衛星や宇宙船がたがいに接近することを指した。

 この年の12月15日、アメリカの宇宙船ジェミニ6号とジェミニ7号が30センチの距離にまで接近する「ランデブー」を果たしニュースになった。遠く日本でもこのことばが知れ渡り、やがて男女のデートや「(わけありの)逢びき」などを揶揄(やゆ)する言い方に転用された。

 この年の主な事件は、「日本航空『ジャルパック』発売開始」「愛知県犬山市の明治村開村」「ベトナムに平和を! 市民文化団体連合(ベ平連)、初のデモ行進」「東京農大ワンダーフォーゲル部員の一人、上級生のしごきで死亡」「山一證券に、無制限・無期限の日銀特別融資発表(山一證券事件)」「日本サッカーリーグ開幕」「家永三郎、教科書検定を違憲とし、国に対し賠償請求の民事訴訟」「朝永振一郎、ノーベル物理学賞の受賞決定」など。

 この年の映画は、『飢餓海峡』『赤ひげ』。洋画では『サウンド・オブ・ミュージック』がはやった。プロ野球では、野村克也が三冠王達成。テレビでは『11PM』や『オバケのQ太郎』が人気となった。

 最近では「ランデブー」はほとんど聞かなくなった。もはやランデブーではなくドッキング。時代はさらにその先を行っている。だがランデブーは、ドッキングする前の甘酸っぱさにも似た興奮を呼び起こす、深みのあることばだ。僕とあの子のランデブー。令和の時代にぜひ復活してもらいたい昭和フレーズである。(中丸謙一朗)

 〈昭和40(1965)年の流行歌〉 「涙の連絡船」(都はるみ)「知りたくないの」(菅原洋一)「柔」(美空ひばり)

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