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【高橋洋一 日本の解き方】大阪府泉佐野市に「敗訴」の総務省 ふるさと納税で“禁じ手”使う通達に透ける「官僚のおごり」 (2/2ページ)

 係争委で議論になったのは、この除外理由だ。多くの自治体関係者の意見は、総務省のやり過ぎというものだった。吉村洋文・大阪府知事は、「(泉佐野市の)千代松市長はルールの範囲内でやった。その時点で合法だったことを、過去に遡(さかのぼ)って評価し、『新制度』にいれないはやりすぎだ」(原文ママ)とツイートしている。

 富越委員長は会見で、「(新制度の根拠となる)改正地方税法の目的は、過去の行為を罰することではない」と言い、新制度導入前のルール内の行為を、新制度で遡及(そきゅう)適用すべきではないとしている。

 筆者は、そもそも新制度、つまり総務省による返礼品の規制について批判的だ。そうした規制は総務省が行うのではなく、自治体自らが行うべきという立場だ。

 百歩譲って、新制度を前提とするのであっても、新制度前の話を持ちだしてはいけない。法律でやってはいけないものとして、遡及適用(後出しじゃんけん)は典型例だ。

 総務省官僚としては、法改正による新制度の前に通達をしていたので、そこまでは「制度」であると誤解しているのだろう。法律と通達が同じであるという官僚のおごりだ。

 通達は法的な拘束力はなく、あくまで行政での通知にすぎない。総務省に不満があれば高裁に訴えることになるが、できるだろうか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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