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【続・吉田茂という反省】憲法改正は野党参加して初めてできる 自民党は「吉田茂の負の遺産」を清算すべき (1/2ページ)

 安倍晋三内閣は、歴代の内閣で、最も熱心に憲法改正に取り組んでいる内閣だ。安倍首相はその実現のために、もとは公明党案であった第9条に自衛隊を明記する改正案を提唱している。

 自民党の憲法改正案としては、戦力と交戦権の保持を否定した「第9条第2項の削除」案がある。にもかかわらず、安倍首相は公明党案にのっとって、第9条の解釈は変えないで、第3項に自衛隊を明記するという。これだけ巨大となり、国民への貢献も大きい自衛隊について、その名誉に応えたいというものだ。

 その意気は壮とすべきものだが、果たして、この改正案は国民投票を通じて実現できるものなのか。

 私の属している運動団体「新しい歴史教科書をつくる会」には、憲法改正に熱心に取り組んでいる会員が大勢いる。東京都支部長の池田元彦さんが呼び掛けて、憲法改正をめぐる小さな勉強会を開いた。

 そこで、弁護士で同会理事を務める荒木田修さんが次のように言った。

 「安倍首相の自衛隊加憲論には一応は賛成するけれども、これが実現したときには、第9条をめぐる解釈はぐちゃぐちゃになるね」

 そのとおりである。今でもぐちゃぐちゃで、自衛隊違憲論の解釈も市民権を得ている状況なのに、現行の解釈を維持したまま自衛隊を明記すれば、解釈はさらに混乱するのは必至である。

 すると、佐々木明子という会員が言った。

 「安倍首相の改正案では、議論が必ず錯綜(さくそう)する。そうしたら、選挙民は現状維持に向かう。だから安倍首相の改正案は通らない」

 なるほど、言われてみればそうだ。

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