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作家・安部譲二さんが死去 82歳、急性肺炎 数奇な人生…『塀の中の懲りない面々』ベストセラーに (1/2ページ)

 服役体験をユーモラスに描いた自伝的小説『塀の中の懲りない面々』などで知られる作家の安部譲二(あべ・じょうじ、本名・直也=なおや)さんが2日、急性肺炎のため東京都内の自宅で死去した。82歳。葬儀・告別式は親族のみで行われた。喪主は妻の美智子(みちこ)さん。山あり谷ありの数奇な人生はまさに「事実は小説よりも奇なり」というべきか。

 安部さんは2015年に大腸がんを手術。回復傾向にあったが昨年12月、外出時に転倒し、右大腿(だいたい)骨と右手首を骨折。本人の希望から退院後は自宅でリハビリを続けていた。

 濃密でアウトローな半生だ。東大合格者を多数輩出する東京都の名門・麻布中学に在学中から暴力団「安藤組」に加わった。中学の同級生だった橋本龍太郎元首相も「あの暴れん坊が弱いものいじめだけは絶対にしなかった」と述懐した。

 高校は麻布高に内部進学できなかったが、名門の慶応高校へ進学。しかし「暴れん坊」気質が落ち着くわけでなく、慶応高は中退。保善高校の定時制を卒業したのは22歳の時だった。

 ヤクザとしては、俳優として活躍した安藤昇組長のボディーガードなどを務める一方、客室乗務員として日本航空に入社。しかし前科がバレてクビになると、レストランやライブハウスの経営など実業家の顔を持つようになる。三島由紀夫の用心棒やキックボクシング解説者、競馬解説者なども経験した。