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【高橋洋一 日本の解き方】IR誘致はこうして絞られる 現状では大阪と横浜が有力か…旅行消費額や雇用創出も課題 (1/2ページ)

 横浜市がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を正式表明したが、地元の港運協会からギャンブル依存の恐れなどを理由に反対の声が出ている。大阪や長崎、和歌山が名乗りをあげ、北海道、東京、千葉なども検討しているとされるが、IR設置にふさわしい条件や、どのような経済効果が期待できるのかを考えてみたい。

 IRの要件は、3月26日に閣議決定されたIR整備法施行令で定められている。客室総面積が10万平方メートル以上のホテル▽会議場の収容人数が6000人以上の場合は、展示場を2万平方メートル以上とするなどの基準を満たす国際会議場・展示場を併設▽カジノの面積(ゲーミング区域)はIRの床面積の3%を上限-などである。

 さらに、観光庁は今月4日、IRを運営する事業者の選定基準を定めた基本方針案を公表した。IR整備の目標として、国際会議や展示会など「MICE」と呼ばれるビジネスイベント開催件数の増加、2030年に訪日外国人旅行者数を6000万人、消費額を15兆円とする政府目標達成の後押し、訪日外国人旅行者の国内各地の観光地への訪問の増加-を挙げた。

 そしてIR事業者選定の評価基準は、(1)国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現(2)経済的・社会的効果(3)IR事業運営の能力・体制(4)カジノ事業収益の活用(5)カジノ施設の有害影響排除となっている。

 もともとIR整備法施行令で定められたものは(1)に取り込まれているが、さらに交通アクセスも課題となる。その上で、(2)~(5)が追加された形になっている。

 そもそも、(1)の基準をクリアするだけでも容易ではない。その上で、(2)はMICE件数や観光客の増加が大きく見込まれること、来訪者の旅行消費額の増加や地域の雇用創出が大きく見込まれること、政府目標達成への大きな貢献が見込まれることという経済要因だ。(1)の上に(2)をクリアできるのはさらに限られ、大都市周辺になるだろう。

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