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【高橋洋一 日本の解き方】どうなる英EU離脱問題 離脱延期法成立もジョンソン首相の姿勢変わらず…合意なき離脱の可能性高い (1/2ページ)

 英国で欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を3カ月延期する法律が成立した。EU離脱はどうなるのだろうか。

 ブレグジットが、英国経済にとって短中長期的に悪影響を与えるというのは、多くの経済学者にコンセンサスがある。すでに2016年6月の国民投票以降、英国の国内総生産(GDP)の2%程度の損失があるという。

 中長期的にも、ヒト、モノ、カネの移動が阻害されることによって、英国の国民1人当たりの実質所得を数%低下させるという意見が多い。

 そもそもブレグジットは、移民に対する過剰な不安から出てきたものだ。たしかにブレグジットにより移民は減少するかもしれないが、その場合、英国の医師、看護師など医療サービスの低下につながり、国民保険サービスにとって打撃になるのは確実とされている。

 こうしてみると、移民対策としてブレグジットが適切でないのは明らかだが、政治的に選択したので、いまだに賛否が拮抗(きっこう)している。世論調査でも、質問の仕方を変えるとブレグジット反対という意見が多数になったりする。

 このため、どのようにブレグジットを実行しても国民の半分に不満が残る。これが英国の不幸だ。

 ブレグジットの中でも、ハードブレグジット(合意なき離脱)は、経済損失が大きいのだが、どのようにやっても批判があるなら、政治的に分かりやすい方法というのであれば、かろうじて理解できる。しかもハードブレグジットなら、交渉の中でおじけづいたEUから、土壇場で取れるものがあるかもしれない。

 ジョンソン首相はその立場だ。もっとも前任のメイ首相がソフトブレグジットをやろうとして失脚したので、ジョンソン首相はハードブレグジットしか選択肢がない。

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