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【緊迫する世界】米に「ケンカ売った」文政権 在韓米軍撤退なら…識者「米は躊躇なく北朝鮮を先制攻撃するだろう」 すべて見据えていた!?安倍首相の「河野・茂木」シフト (2/2ページ)

 在韓米軍の撤退は、文氏の望むところだろう。日本の朝鮮半島統治からの解放記念日「光復節」(8月15日)の式典で、文氏は「2045年には南北統一を目指す」と宣言し、在韓米軍撤退を促した。米軍が韓国にいる限り、南北統一は成りたたない。文氏は、日本をたたく(=GSOMIA破棄決定)ことで、統一を果たそうとしたのだ。

 しかし、米国は文氏に「三くだり半」を突き付けた。

 在韓米軍の撤退は、米国が韓国を北朝鮮と同じ「脅威」と認識し、韓国も米軍の抑止(攻撃)対象となる。北朝鮮主導の朝鮮半島統一が画策されれば、米国は躊躇(ちゅうちょ)なく北朝鮮を先制攻撃することになる。

 1990年代の第1次北朝鮮核危機当時、クリントン政権は北朝鮮への先制攻撃を、韓国の人命被害を憂慮してあきらめた。だが、韓国が同盟国でなくなれば、考慮に入れる必要はなくなる。

 米国は現在、地球規模の米軍再編(GPR)に着手しており、在韓米軍はすでにないとも言われる。その場合、日本の防衛ラインは長崎県・対馬まで下がる。朝鮮半島有事の軍事作戦計画(OPLAN)も全面修正となる。今後、日本と韓国の偶発的衝突が起きないともかぎらない。

 これらを見据えて、安倍晋三首相は「河野太郎防衛相、茂木敏充外相」という布陣を敷いたのか。

 ■川上高司(かわかみ・たかし) 1955年、熊本県生まれ。拓殖大学海外事情研究所所長。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。著書に『「新しい戦争」とは何か』(ミネルヴァ書房)、『トランプ後の世界秩序』(東洋経済新報社)など。

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