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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】「前兆がなかった」御嶽山噴火から5年… 富士山、箱根も「いつ噴火しても不思議ではない」 (1/2ページ)

 戦後最大の火山災害、死者行方不明63人の犠牲者を出した2014年の御嶽山(長野・岐阜県境)の噴火から27日で5年になる。

 火山学から言えば、この噴火は、噴火としては決して大きなものではなかった。規模も、地下からマグマが出てこなかったという噴火様式もそうだ。

 不幸は、秋の天気のいい土曜日の昼時に噴火が起きてしまったことである。ロープウエーや道路が山頂近くまで通じている3000メートル級の山。多くの人が集まっていた。

 火山学にとって衝撃だったことは、噴火が警告できなかったことだ。2週間前にあった火山性地震は収まってしまっていたし、気象庁が出す噴火警戒レベルも「山頂まで行っていい」というレベルだった。07年の積雪期に起きたが被害がなかった小噴火のときに約2カ月前から出た火山性微動も、このときには11分前にしか出なかった。

 その後、18年1月に前兆もなかった草津白根山がいきなり噴火して、死者1人、負傷者11人を出した。

 19年8月には浅間山(群馬・長野県境)が、これもいきなり噴火した。この噴火も前兆がなかった。幸い夜だったので登山客などに被害はなかった。

 浅間山は1783年には大噴火して広く飢饉(ききん)を及ぼしたこともあるので火山周辺の観測体制は充実していた。直近にも2008年、09年、15年に小規模に噴火したが、いずれも数日前から前兆があった。草津白根山も浅間山も、それぞれホームドクターの大学の先生が張り付いているところだし、事前の前兆の把握に問題があったわけではなかった。むしろ前兆の把握に優等生を自任していたほどだった。

 つまり14年、18年、19年の最近の噴火は、いずれもノーマークのときに起きて、噴火する前兆が把握できなかったことになる。「前兆のない噴火」は気象庁や火山学者には大変なショックだった。

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