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【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】楽観的すぎる発表で、お客さまに対して「嘘」を…最悪の対応 東電の見通しの甘さは、企業として失格だ (2/2ページ)

 9日朝に関東地方に上陸した台風15号の暴風雨は、交通インフラをマヒさせ、鉄塔をも倒壊させた。被害を見れば、停電が1日で復旧するなど、誰も思わなかっただろう。だが、東電が当初、短期間で復旧させると発表したため、住民の信頼を完全に失い、怒りを買う結果になった。

 配達業のケースで考えてほしい。

 A社は「午後2時に荷物をお届けする」といい、同じ荷物をB社では「午後3時までかかる」と言われた。その後、A社は2時30分に荷物を持ってきて、B社は2時45分に持ってきた。どちらが信用できるだろうか。

 B社がA社より15分遅いが、しっかり見通しを立て、顧客との約束を守った。一方、A社はB社よりも早いが、約束の「午後2時」を守れなかったため、信用には値しないといえよう。

 企業側が顧客に約束する場合、多めに見積もっておいて実行を素早くするというのは、顧客との信頼関係を築くためには基本中の基本である。守れない約束をしてはならない。たとえ見積もっている時間が長くても、きちんと説明すればほとんどの人は納得する。特に自然災害や不可抗力の場合、被害者や被災者を無力感から救ってくれるのは、対応する人たちの誠意だけだ。

 東電は今回、早急に復旧できないことが予測できたにも関わらず、楽観的すぎる発表をし、結局繰り返しお客さまに対して「嘘」をついた。最悪の対応だ。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

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