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【緊迫する世界】ボルトン氏を追い出し「親中派」が腕まくり? トランプ政権が“張り子の虎”に…ほくそ笑むプーチン大統領と習主席 (2/2ページ)

 プーチン氏はその後、インドに接近した。米国とインドの関税戦争をみて、9月4日、極東ウラジオストクでナレンドラ・モディ首相を迎えた。

 インドは、ロシア兵器の最大の顧客で、保有兵器の6~7割はロシア製だ。両国は兵器部品の共同生産を合意した。インドはまた、米国からイランの石油を輸入しないよう迫られている。その代替をロシアの石油、天然ガスに求めた。

 プーチン氏は続いて16日、トルコの首都アンカラで、トルコのレジェプ・ターイプ・エルドアン大統領、イランのハサン・ロウハニ大統領と「アスタナ会議」を開いた。シリア内戦終結の取り組みを確認し、中東でのキングメーカーとしての役割を鼓舞した。

 米国と対立するイラン、トルコ、インドと手を取り合い、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相には恩を売ってコントロールする。ロシアの防空システムは今や、シリア、イラン、トルコを網羅した。防衛ラインはロシアの国境のはるか南に下がったのである。

 イランやアサド政権打倒を訴えるボルトン氏はもういない。プーチン氏は「ペーパー・タイガー(張り子の虎)」に成り果てた米国の足下をみて、ロシアの「地政学の完成」を着々と行動に移している。(拓殖大学海外事情研究所所長・川上高司)

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