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【日本の宿題】装備品不足も“マンパワー”でしのぐ自衛官たち…陥ってはならない「靴に合わせて足を切る」の愚 (1/2ページ)

 防衛省は先月末、2020年度予算の概算要求を、総額5兆3223億円とすると決めた。宇宙領域の監視態勢を築くため、航空自衛隊に「宇宙作戦隊」を新設したり、最新鋭ステルス戦闘機「F35」の取得など、さまざまな用途に使われる。

 過去最大の要求額だったため、新聞各紙の社説は、「政府は防衛装備品のコスト削減に努めつつ、着実に抑止力を高めるべきだ」(読売新聞)、「予算の増額にはおのずと限界があり(中略)徹底した予算の効率化とセットで進めていくべきだ」(日経新聞)などと牽制(けんせい)した。

 こうした報道では、予算が増えたことだけに注目が集まりやすい。だが、その裏で、自衛官が恒常的な予算不足の中で、どのように現場を運用しているかを知ることも必要だろう。

 航空自衛隊では、修理部品が不足している現状を「借金まみれのような状態」と表す声がある。仕方なく、他の機体の部品を流用する「共食い整備」でしのいでいるという報道もある。戦闘機の部品が足りないために、格納庫に納められたままの機体も少なくない。

 海上自衛隊のイージス艦では、空っぽのミサイル発射筒が目立つ。陸上自衛隊でも多くの物品が足りていない。

 ところが、防衛省の来年度予算案では、装備品等購入費が2041億円減るという。メディアには、概算要求全体の増加だけでなく、予算案の減少した項目にも目を向けてもらいたいものだ。

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