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関電の原発金品問題「贈収賄や特別背任罪に該当も」 八木会長らに刑事責任は?弁護士・若狭氏が解説

 返せば済むのか。関西電力の八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)らが、高浜原発が立地する福井県高浜町の森山栄治元助役(3月に死去)から約3億2000万円相当の金品を受け取った問題で、関電側は「違法性はない」とし、返却したと主張する。だが、元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏は、「会社法の取締役に対する贈収賄罪や特別背任罪に該当する可能性もある」と指摘した。

 関電側は記者会見で、八木会長ら20人が2011年から18年に約3億2000万円相当を受け取ったと説明した。

 原発関連工事を請け負う高浜町の建設会社が手数料名目で森山氏に約3億円を提供し、森山氏から八木会長らに流れたとされる。

 原発マネーが還流した形だが、刑事責任を問えるのか。元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏は「仮に元助役が、不正な請託によって特定の業者が工事を受注できるように関電側に口利きなどをしていたとすれば、会社法の取締役等に対する贈収賄罪に該当する可能性がある。また、関電の役員らが利益を得て会社に損害を与えたとなれば、同法の特別背任罪も考えられる」と解説する。

 若狭氏は「関電側が第三者委員会で徹底的に調査するのが筋だが、刑事告発を受けて大阪地検特捜部が捜査に乗り出すこともありえる」とみる。

 一方、キーマンの元助役は3月に90歳で死去したことが「捜査の大きな壁になるだろう」と若狭氏。八木会長は、金品を受け取ったのは06~10年だったと話しており、若狭氏は「特別賄賂罪の時効は5年、特別背任罪は7年というハードルもある」と付け加えた。