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【富坂聰 真・人民日報】香港を尻目に「建国70周年」に湧く北京 “国威発揚”のためにここまで…笑えない中国の“遅れた感覚” (2/2ページ)

 それにしてもパレードは、オリンピックで披露されたマスゲーム以上に熱が入っている。

 郊外の陸軍基地では、兵士の間隔を定規で測り顎の位置を釣り糸で統一するというアナログに加え、中国版GPSの北斗ナビゲーションシステムまで使って動きに統一性をもたせているのだ。

 行進に参加する兵士の健康管理のために9つの医療部隊が肉体から精神面までケアし、計54の食料供給機関が毎日の食事を提供しているというのだ。また基地内には新たにスーパーや銀行も設置され、さながら一つの小さな町を作ったようなサポート体制で臨んでいるのだ。

 国威発揚のためにここまでやる姿は、やはりどこかアナクロで、西側先進国の基準からは「非民主的」である。

 だが、それが確実に何かをなしとげてゆくことを見せつけられれば、いつまでも中国の遅れた感覚を笑っていられるのだろうか。

 実は、中国の建国70周年は、われわれに深刻な迷いを投げかけてくる始まりなのだ。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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