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【東アジアの動乱と日本の針路】中国が併合すれば巨大な軍事的脅威に! 日本の“生命線”台湾 在韓米軍撤退なら重要視される「日米台」同盟 (2/2ページ)

 香港はすでに「一国二制度」に入っており、米国としては直接支援はやりにくい。だが、米国は台湾を事実上、国として扱う外交姿勢をとっている。米軍も少数だが駐留しており、擁護の姿勢に揺るぎはない。武器供与も行われてきた。

 蔡氏は今年2月、産経新聞のインタビューで、日本に安全保障対話を呼びかけた。中国の脅威に直面している日台で情報共有も含め、協力体制をつくろうという呼びかけである。残念ながら、日本は応えていない。

 今後おそらく、米国は韓国から米軍を撤退させるだろうが、「米日台による事実上の同盟」は強化していくだろう。

 かつて、ダグラス・マッカーサー連合国軍最高司令官は「台湾は空母20隻分に相当する軍事上の価値がある」と語った。これは今日でも正しい。もし、中国が台湾を併合すれば、台湾の民主政治が失われるだけではない。日本にも米国にも、巨大な軍事的脅威が出現するのだ。

 台湾を軍事基地化すれば、南シナ海を領海化することは容易であり、尖閣諸島から沖縄へ、日本侵略の拠点とすることもできる。日米連携を分断する軍事作戦も可能となってくる。台湾の李登輝元総統が喝破したように、まさに「日台は運命共同体」なのである。

 幸いなことに、トランプ政権は台湾擁護の姿勢を強くしている。この件では、下院で多数を占める米民主党も協力的である。安倍晋三政権はいま一歩踏み込んで、台湾擁護の姿勢を明確にすると同時に、香港の民主化運動にもモラル・サポートを送る必要がある。

 ■藤井厳喜(ふじい・げんき) 国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。テレビやラジオで活躍する一方、銀行や証券会社の顧問などを務める。著書・共著に『国境ある経済の復活』(徳間書店)、『米中「冷戦」から「熱戦」』(ワック)など多数。

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