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SF作家・小松左京さんが込めた小説「日本沈没」への思い 世田谷文学館で企画展、12月22日まで

 ベストセラー小説「日本沈没」で知られるSF作家の故小松左京さん(1931~2011年)の生涯や作品を貴重な資料を通して紹介する企画展「小松左京展 D計画」が東京都世田谷区の世田谷文学館で開かれている。12月22日まで。

 宇宙や海を連想させる青を基調とした展示室は3つのテーマに分けられ、原稿や書簡など約500点を展示する。

 「作家・小松左京の誕生まで」は、京都大でイタリア文学を学んだ後、SF作品と出合い、本格的に作品を書き始めるまでをたどる。

 「日本沈没」の魅力や本質的なメッセージに迫るのが「小説『日本沈没』再読」。登場人物たちの言葉を紹介しながら、原点となった小松さんの戦争体験や、小説に込められた思いを伝える。

 企画展を担当する学芸員の中垣理子さんは「衝撃的なタイトルの印象が強いが、危機的な状況に立ち向かう登場人物たちの会話や言葉、人間模様が濃密に凝縮されている」と語る。

 結びは「『大阪万博』での活躍」。70年の大阪万博の企画に携わり、精力的に議論を重ねて深めた思索を考察する。

 作品を通して自然災害や人間が引き起こした戦争などに警鐘を鳴らし続けた小松さん。亡くなる前に東日本大震災の惨状を目の当たりにし「日本は必ず立ち直る」との言葉を残したことも紹介されている。

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