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【日本の元気 山根一眞】北陸新幹線という“経済の要”を絶たれた「準被災地」 ホテル・旅館はキャンセル殺到…こういう時こそ地元経済の支えに (1/2ページ)

 台風19号上陸前日までの数日、私は福井県若狭町の年縞博物館にいた。昨年9月15日のオープン以来、特別館長として課せられた使命は重く、毎月数日は現地入りして博物館の充実や来館者数のアップの一助にと尽力している。開館して1年と少しになるが、当初の目標だった年間来館者数6万人を1年を待たずして達成できたのは大きな喜びだった。

 県外からの来館者は関西方面が多いが、関東などからの北陸地方への旅行者が足をのばしてくれているケースもある。2015年に北陸新幹線が金沢まで伸延したことで、北陸地方への観光客は急増したが、新幹線がまだ工事中の福井県への経済波及効果も小さくない。2年後に迫った敦賀までの伸延開業後、増加するであろう来館者をどう迎えるかは大きな課題でもある。

 11日は博物館でそんなテーマのミーティングや討議もしていたが、台風の関東上陸が近いため滞在予定を1日繰り上げて夕刻に帰京の途についた。博物館の近郊をあちこち動き回る必要性から、博物館への出勤には東京からクルマを使うことが多く、今回もクルマだった。距離はルートによるが約500キロ。7時間ほどの行程だが、最近はさほど疲労を感じることもなくなった。

 帰京ルートはいくつかあるが、今回は北陸、上信越、そして関越の各自動車道を経由するルートを選んだ。台風の影響だったのだろう、金沢を通過する頃、日本海が異様なほど真っ赤な夕焼けに染まっていてぞっとした。上信越道は日没後で景観は楽しめず、台風の影響で時折激しい雨に見舞われたが、無事に午前2時過ぎに帰宅できた。

 その2日後、台風19号の被害が日本の広範囲で発生したことを知り茫然(ぼうぜん)とした。00年の東海豪雨、04年の福井豪雨、16年の岩手県岩泉町の台風10号、17年の九州北部豪雨、18年の岡山県・真備町の豪雨など水害被災地の取材を通じて多くの教訓を得てきたが、今回はあまりにも広範囲の同時多発水害だけに、どこを取材すべきかの考えも浮かばないままだ。

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