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洪水時の車移動は非常に危険! 台風・大雨の死者の半数が車中で被害

 台風21号と低気圧の影響による大雨で、福島、千葉両県で死亡した10人のうち5人は車で移動中に被害に遭っていた。車が水没したり流されたりした。行方不明となっている2人のうち1人も同乗者だった。台風19号でも死者の約3割に上り、専門家は「災害発生前に移動を終えることが重要だ」と指摘する。

 両県の災害対策本部などによると、千葉県では道路の冠水で水没した車の中や、その近くで男性3人の遺体が見つかった。車ごと川に流され死亡した男性もいた。福島県相馬市では、母親(61)と息子(38)が乗った軽乗用車が流されたとみられ、母親が遺体で見つかった。息子は行方不明。

 このうち、千葉県長柄町の郵便局員、鶴岡成夫さん(54)は25日午後、こども園に長男(6)を迎えに行く途中、橋の上で車ごと濁流に流された。同町の岩瀬長寿さん(88)は、避難のため高台の息子宅へ車で向かう途中に「車の中に閉じ込められて動けない」と息子に連絡。その後、浸水した車内で見つかった。

 台風19号でも、車に乗っていて洪水に巻き込まれるなどした人は、死者87人のうち約3割の25人に上った。

 千葉県が津波の際の避難計画をまとめた指針では、水深50センチを超えると「車の中に閉じ込められ、車が浮き、流される非常に危険な状態となる」などとしている。

 東京女子大の広瀬弘忠名誉教授(災害リスク学)は「雨の中、高齢者や子どもを連れて長い距離を移動するには車を使うしかない。大事なのはタイミングで、行政の呼び掛けに従い早めに避難や移動を終えるべきだ。遅れたら外に出ず、建物の上の階で過ごしてほしい」と話している。