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職場で見過ごされる“心の暴力” 教員暴行事件に見る、オトナ社会の異常さ (3/4ページ)

 当時小学5年生だった男子生徒は、「ばいきんあつかいされて、ほうしゃのうだとおもっていつもつらかった。福島の人はいじめられるとおもった。なにもていこうできなかった」として、加害児童ら10人ほどと遊園地やゲームセンターなどに行くようになります。そこでの遊興費や食事代、交通費も含めて1回5万~10万円の費用を10回近く負担。一緒に遊ぶためのエアガンを買わされることもあり、男子生徒は親の現金を持ち出していました。弁護士によると、総額は150万円にも上っていたそうです。

 「お金もってこいと言われたとき すごいいらいらとくやしさがあったけど ていこうするとまたいじめがはじまるとおもって なにもできずに ただこわくてしょうがなかった」「いままでいろんなはなしをしてきたけど (学校は)しんようしてくれなかった」「なんかいもせんせいに言(お)うとするとむしされてた」「いままでなんかいも死のうとおもった。でもしんさいでいっぱい死んだから つらいけどぼくはいきるときめた」(男子生徒の手記より)

 男子生徒の悲鳴はなぜ、大人に届かなかったのか? 周りの子どもたちはなぜ、精神的暴力を繰り返したのか?

 いつの時代も、子ども世界は大人社会の縮図だし、子どもは大人が考える以上に、オトナたちの言動を観察し、まねる。母親が「先生の悪口」ばかり言う家庭の子どもは、先生をばかにする。母親が「○○さんの奥さんって、△△なのよ~」と愚痴り、それを聞いていた父親が「○○さんのところは、××だからな」とばかにするやりとりを見ていた子どもは、両親と同じように○○君をばかにする。

 ◆職場のパワハラも“精神的な暴力”

 大人たちは子どものいじめが発覚する度に、学校や先生の対応ばかりを批判するけど、学校にいる大人も、家庭にいる大人も、テレビの中の大人も、みんなみんな子どもたちの“お手本”であることを忘れているのではないでしょうか。

 私がこれまでインタビューしてきた700人超の中には、職場でパワハラを受け、鬱などの精神的不調に陥っていた人が何人かいました。彼らが受けたパワハラの多くは、精神的な暴力でした。

ITmedia ビジネスオンライン

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