記事詳細

職場で見過ごされる“心の暴力” 教員暴行事件に見る、オトナ社会の異常さ (4/4ページ)

 「もう一度小学校から行き直せよ」「親の顔が見てみたい」「おまえ臭い。風呂入ってないんじゃねーか」「ばかは何度注意しても治らない」「死んでみろよ」

 彼らは直接言われることもあれば、陰口を言われたり、職場のメンバーたちに無視され続けたりしていました。

 どのパワハラも陰湿であるがゆえに、肉体的な暴力以上に本人たちを苦しめていました。言わずもがな、どれもこれもかなり“幼稚ないじめ”です。

 「いじめ」を「パワハラ」という言葉に置き換えてみてください。いじめで学校に行けなくなる子ども、パワハラで会社に行けなくなる大人。どちらも、誰もが被害者になるリスクがあれば、加害者になる可能性もある、深刻な社会問題です。

 そして実は、日本の子どもたちのいじめ問題は、もう一つ特徴があることが、国立教育政策研究所の調査で分かっています。

 ◆成長とともに「見て見ぬふり」するようになる

 いじめを目撃したときの対応(「みてみないふりをしますか?=傍観者」と「止めに入りますか?=仲裁者」)を子どもに尋ね、英国、オランダと日本の3カ国で比較したところ、次のような結果が出てしまったのです。

 日本では、年齢とともに「仲裁者」の比率が下がり続け、中学3年ではわずか20%

 一方、英国は、年齢とともに比率は下がるものの中学1年で下げ止まり、中学3年では約45%に反転

 「傍観者」は、日本は年齢とともに上がり続け、中学3年では約60%に達する

 一方の英国とオランダは、小学生から中学生に向けてやはり上昇するものの、中学2、3年において一転して低下。英国の中学3年生の傍観者比率は約40%

 中学生以降の子どもたちの言動には「社会の影響」いや、正確には「大人」が与える影響は極めて甚大です。

 「私」の言動をまずは振り返る。そこから大人が始める必要があるのではないでしょうか。

ITmedia ビジネスオンライン

関連ニュース