記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】米中貿易戦争の影響占う3要素 「政治経済事情」と「貿易依存度」「対米交渉の経緯」で説明可能 (2/2ページ)

 日本は貿易依存度が低く、米国との貿易摩擦も他国に比べれば、ほぼないに等しい好環境だ。だが、消費増税という国内問題を抱える。内閣府は10月の月例経済報告で景気判断を下方修正している。

 中国は、公式統計を信用できず、実際は、はるかに激しく経済成長率が落ち込んでいると筆者はみている。来年11月の米大統領選までは、トランプ大統領が対中姿勢を抜本的に改める可能性は少ないので、中国としても出口が見えない。間違いなく米中貿易戦争の最大の敗者だといえる。

 韓国も中国経済への傾斜を強めてきたので、その落ち込みの悪影響をもろに受けている。それに、韓国が自ら、まいた種とはいえ、日韓摩擦の影響が上乗せされ、経済どころか政権自体が揺らいでいる。

 新興国もおしなべて成長率が鈍化している。アフリカ諸国は、米中貿易戦争によりエネルギー部門が悪影響を受けた。ペルシャ湾岸地域も、地域での不安定な政治情勢を受け経済が冷え込んでいる。

 以上のとおり、各国経済は、政治経済事情と貿易依存度、米国との貿易交渉の経緯でほとんど説明可能だ。この観点からすると、日本がこのタイミングで消費増税を行ったのは返す返すも残念である。ただし、景気対策を行えば悪影響を除去できる。台風、地震など自然災害対策も急務なので、マイナス金利を生かして将来投資を行い、景気を浮揚させるべきだ。景気対策いかんによっては、日本は世界経済の難局を好機に転じることもできるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

関連ニュース