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【高橋洋一 日本の解き方】量子コンピューターの実用化で「金融取引の暗号」は解かれるか…開発の先陣争いは一段と熾烈に (1/2ページ)

 米グーグルが、量子コンピューターの試作機を使い、世界最高速のスーパーコンピューターより格段に速く計算できる「量子超越性」を初めて実証したと発表した。量子コンピューターとはどんなものか。実用化された場合、何が変わるのか。

 量子コンピューターをイメージするのは難しい。何しろ「量子」とは何かが分からないといけない。ところが、「量子」は量子力学で習う。これはかなりの難物で、東大理系でも数学・物理系以外の学生は理解できない者も珍しくない。

 「粒子と波動の性格を併せ持つ」などと文学的に表現されるが、結局、数式表現しないとその本質にはたどり着けない。このため、理系でもハードルが高いのだ。

 筆者は大学で量子力学を学んだが、量子コンピューターのアイデアは筆者の大学卒業後のことなので、正直言えばよく知らない。ただし、ノーベル物理学賞受賞者で、有名な物理学のテキストを書いたリチャード・P・ファインマン氏らの書いたものによれば、究極的に小さなコンピューターの従うべき物理法則を量子力学という。

 その場合、今のコンピューターが使っている0と1との「ビット」ではなく、0と1でもなくその間の「確率」と波の「位相」を組み合わせた「量子」になる。「量子」はいろいろな状態の重ね合わせともいえるので、そうであれば、ものすごく莫大(ばくだい)な同時並行処理計算が可能になって計算スピードが従来のビットを基礎とするものより、段違いに速くなるという原理も理解できる。

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