記事詳細

【富坂聰 真・人民日報】米国の焦りと中国の緩やかな“脱米”で貿易戦争は一時休戦? (1/2ページ)

 かつて米ロ首脳の会話を高性能マイクで拾ったところ、「チキンを買ってくれないか」という内容だった、と米メディアが報じたことがあった。

 詳細は覚えてないが、「チキンか……」と、その緊張感のなさにがっかりした記憶がよみがえった。

 米中貿易協議で中国側が大量の農産品の買い付けを約束し、米中の対立が緩んだという話からの連想だ。

 今度の主役は「チキン」ではなく「豚」だという。

 米中が互いに制裁関税をかけ合う入り口で、中国が最初に標的にしたのがアメリカから輸入する農産物だった。

 制裁発動後の2018年8月11日、米国産大豆7万トンを積んだ「ピーク・ペガサス」号が大連港に到着したニュースはメディアをにぎわした。

 トランプ大統領が「中国による農畜産品の購入は過去最大だ。米国の農家はすぐに大きなトラクターを手に入れた方がいいぞ」とホワイトハウスではしゃいだのが今月11日。これを受けて中国外務省の耿爽副報道局長も、今後も「米農産物の買い付けを加速させる」と述べた。

 アメリカは新たな制裁発動の見送りに合意。歩み寄る姿勢に転じたことを世界に印象付けた。

 以前にも指摘したが、米中協議は10月から11月が焦点とされてきた。

 というのも第4弾で制裁の対象となるスマートフォンやノートパソコンは、クリスマス商戦で大きく動くことが予想される商品で、米国内の消費を冷やすことも懸念されていた。だからこそ第4弾の発動では、9月に制裁関税の対象となったスマートウオッチなどと分けて12月という期限が設定されていたのだ。

 アメリカ経済の要である個人消費。なかでもその要であるクリスマス商戦に影響してはならないとの焦りは、トランプ政権にもあったのだろう。

関連ニュース