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【有本香の以読制毒】「テロ伝播」への備えはあるか? 米がIS指導者殺害も…支持者「聖戦続く」 (1/2ページ)

 大臣の「身の丈」「雨男」発言がどうこうと、相も変わらず不毛な争いを続けている日本の国会。その裏で当然、世界は激しく動いている。特に、中東とヨーロッパの動きから、しばらく目が離せなくなりそうだ。

 ドナルド・トランプ米大統領は27日、米軍が26日にシリアで、過激派組織「イスラム国」(IS)の指導者、アブバクル・バグダディ容疑者らを標的とした軍事作戦を実施、バグダディ容疑者が死亡したと発表した。

 作戦実施時の詳しい状況、事後の米軍の対応などについては続報が流れてきているが、日本が注目すべきは、すでに起きたことのディテール(細部)ではなく、今後どうなるかである。

 筆者の知る識者のうち、イスラエル陸軍出身で、カウンターテロリズムの専門家であるカーモン・エリー博士は、次のように警告している。

 「ソーシャルメディア上の支持者はバグダディ殺害を、疑いつつも、たとえニュースが真実であってもジハード(聖戦)は続くと宣言している。トランプ氏の言うように平和が戻るのではなく、バグダディが消えたことで当面、シリア、イエメン、ソマリア、サヘル(サハラ砂漠南縁部)の大部分と北アフリカで、(国際テロ組織)アルカイダの力が強まることが懸念される」

 日本人識者も同じく警鐘を鳴らす。

 イスラム思想研究を専門とする飯山陽(あかり)氏は、FNN Primeへの寄稿のなかで、「バグダディの死が伝えられた後も、『イスラム国』はシリアやイラク、アフガニスタンなどで実行した作戦の成果を次々と公開し、『平常運転』を続けています」とし、バグダディの死は大事件ではあるが、それで事態が改善に向かうほど、中東情勢は生優しくないとしている。

 中東の混乱は日本のエネルギー事情に大きな影響を及ぼす。加えて、アルカイダ系の組織が勢いづけば、アジアで再び「テロの脅威」が高まる危険性もある。

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