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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】「ペンス演説」でトランプ政権の対中姿勢鮮明に 孤立化する文政権…「利敵行為」に米の不信は決定的に (2/2ページ)

 そんななか、孤立化しているのは、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権だ。その象徴が、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄方針だった。そこに、米国が猛烈な圧力を加え始めた。

 デイビッド・スティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)と、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長が11月、それぞれ韓国を訪問し、文政権に協定破棄を見直すよう求める、という。協定が失効するのは11月23日なので、ぎりぎりのタイミングだ。

 米国とすれば、北朝鮮を押さえ込むために、大げんかしている最中の中国に協力を求めているほどなのに、同盟国の韓国がGSOMIAを破棄するとは、まさしく「利敵行為」にほかならない。絶対に許しがたいはずだ。

 文政権は、GSOMIA破棄を、日本の対韓輸出管理強化に対する報復であるかのように宣伝したが、本音は違う。北朝鮮と手を取り合って「朝鮮半島の赤化統一」を実現するために、日本との軍事協定を破棄するのは当然だし、既定路線だったのだ。

 ところが、文政権は当の北朝鮮から罵詈(ばり)雑言を浴びている。最近でも、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は観光名所の金剛山に韓国が建設したホテルを「見るだけでも気分が悪くなる。みすぼらしい」と酷評し、撤去を命じたばかりだ。

 GSOMIAを破棄すれば、米国の不信は決定的になる。文政権は「出口のない袋小路」にはまってしまった。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。

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