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【日本の選択】北朝鮮の独裁体制を支える「主体思想」と対峙せよ 金一族の「正しい指導」を受ける人民が歴史の主体に (1/2ページ)

 北朝鮮の政治体制を支えている特異な政治思想を「主体思想」と呼ぶ。われわれの自由・民主主義とは全く相いれない主体思想を読み解くことなしに、北朝鮮の行動原理を理解することはできない。

 主体思想を読み解く際の重要なテキストが、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の実父である金正日(キム・ジョンイル)総書記の名で刊行されている『主体思想について』(在日本朝鮮人総聯合会中央常任委員会・発行)というパンフレットだ。

 正日氏は「主体思想」について、次のように定義している。

 「主体思想は人間中心の新しい哲学思想であります」「主体思想の哲学的原理は、世界における人間の地位と役割を解明した人間本位の哲学的原理であります」

 宗教のように人間を越えた何かを一切否定し、人間のみが世界を切り開くという姿勢に傲慢さを感じるかもしれないが、全体主義を擁護するような哲学ではないよう思われるはずだ。人間が中心であり、人民こそが歴史の主体となって革命を進め、真の理想的な社会を実現すべきであるというのが主体思想の顕教的部分である。

 しかし、この正日氏の論考をよく読み込んでみると、主体であるはずの人間、民衆の立場のコペルニクス的転換とでも称すべき逆転が記されている。

 「人民大衆が歴史の主体としての地位を占めてその役割を果たすためには、必ず指導が大衆に結びつかなくてはなりません。人民大衆は歴史の創造者ではあるが、正しい指導がなければ社会・歴史発展の主体としての地位を占め、その役割を果たすことができません」

 「労働者階級をはじめ人民大衆は党と指導者の正しい指導を受けてこそ、自然と社会を改造するきびしく複雑な革命闘争を力強く展開し、民族解放と階級解放をなし遂げ、社会主義・共産主義社会を成功裏に建設し、それを正しく運営することができます」

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