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【高橋洋一 日本の解き方】「量的金融緩和」をサボる日銀と「国債発行」や「投資」をサボる財務省 日本経済にとって大きな不幸に (2/2ページ)

 もしマイナス金利の「深掘り」となると、民間金融機関の貸出金利もゼロ近辺に引き下げられ、収益に大きな影響が出る。実際に一部の金融機関は危なくなっている。

 一方、政府も国債金利がマイナスになっているにもかかわらず、国債を大量に発行しない。これが市場で国債の品不足を招いて国債取引にプレミアムが付き、マイナス金利が解消しない。国債が品不足なので、日銀の量的緩和もやりにくくなっている。

 これらの日銀と政府の両者の政策手詰まりを一気に解消するには、まず政府が金利ゼロまで国債を無制限発行することだ。その上で、マイナス金利によるメリットを生かして政府が将来投資を行い、有効需要を拡大する。と同時に、日銀は量的緩和を実行して、金融緩和をする。こうして財政政策と金融政策を同時発動すべきだ。

 政府は、マイナス金利なのに必要な国債発行と将来投資をサボっている。日銀も、イールドカーブ・コントロールに固執して必要な国債発行を政府に働きかけずに量的緩和をサボっている。

 政府と日銀は、日本経済のためにはもっと協力して対処すべきであるが、いまは安倍晋三首相と黒田東彦(はるひこ)総裁の協力体制も見えてこない。

 マイナス金利下での政府による国債発行と日銀による量的緩和という、当然であり極めて単純であるが政府と日銀の両者にとっての最適解が取られないのは、日本経済にとって大きな不幸である。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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