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【ノモンハン敗戦の真実】資源不足で国防の「研究・対応」はおろそかに… “戦略眼”を持つ政治家の不在が「対米戦」の敗戦につながった (2/2ページ)

 ソ連では、小麦の宝庫であるウクライナで餓死者が出たり、厳冬のモスクワで暖房が切れるなど、最低の生活を送れない国民がいても、軍備を増強するため5カ年計画が断行された。しかし、日本は独裁国家ではない。

 ノモンハンが始まるころ、ソ連は兵力の3分の2をヨーロッパに置き、3分の1を極東に持ってきた。3分の1といっても、それだけで日本の総兵力と同じなのである。しかし、日本は軍事大国ではない。

 ある優秀な将校がこのような遺書を残している。

 「昭和の時代最も悲しむべきは、偉大な政治家なく、優秀な上級軍人なかりしことなり。優秀な佐官雲のごとくありしも、自ら判決しうる将官なきは何故なりや」

 日本にヨシフ・スターリンのような政治家がいなかったことを指摘しているのか。戦略眼を持つ政治家がいなかったことを指摘しているのか。まだ、研究されるべきことは残っている。

 ■阿羅健一(あら・けんいち) 評論家・近現代史研究家。1944年、仙台生まれ。東北大学卒業後、会社員を経て、82年の教科書誤報事件をきっかけに南京事件などの調査・執筆を始める。現在、南京戦の真実を追究する会会長。著書・共著に『謎解き「南京事件」』(PHP研究所)、『吉田茂という反省』(自由社)、『史料が語るノモンハン敗戦の真実』(勉誠出版)など。

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