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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】雲仙普賢岳で溶岩ドームの変化を調査 91年「火砕流」の再来か (1/2ページ)

 10月の末に、九州大学の火山研究者と地元の長崎・島原市の防災関係者ら約80人が雲仙・普賢(ふげん)岳で、不安定な状態で乗っている溶岩ドームの変化を調査した。これは18年前から年2回行っているもので、一般登山者が立ち入れない頂上の警戒区域内にある溶岩ドームだ。

 雲仙普賢岳は火砕流で1991年に当時戦後最大の43人の犠牲者を出すという火山災害を生んでしまった。

 火砕流は火山の災害の中でも、もっとも怖いものだ。火砕流は火山ガスや火山灰が混合したもので、高温のうえ軽くて遠くまで届く。海も越えてしまう。かつて九州の阿蘇山で出た火砕流は、四国も中国地方も襲った。温度は軽く200度を超え、走る速度は遅くても自動車なみ、速ければジェット機なみだ。襲われたら、とても逃げられない。

 火砕流には火口から出た溶岩ドームが崩れて出るものもあるし、高く吹き上がった噴煙が崩れて落ちてくることで起きるものもある。1991年の悲劇は前者だった。約200年ぶりの噴火だった。

 当時の雲仙普賢岳では火口に溶岩ドームが作られて、小規模の火砕流が起きていた。やがて、もっと大きな火砕流が出ることが予想されていたのに、これだけの災害になってしまった。

 1990年代の噴火は収まったが、そのときに作られた溶岩ドームは残っている。それが落ちるのではないかと調査が繰り返されているのである。

 今年の調査の結果は、昨年よりも6センチほど下に滑っていた。火山体の温度も半年前よりは上がっているものの、それほど高くはなく、噴火は近くはないというのが診断だった。

 だが、溶岩ドームが滑っていることは確かで、大噴火が起きて一挙に滑るかもしれない。いまの火山学では数日から先は分からない。噴火ではなくても、大きな地震が起きたり、大雨が降って、いつ滑り出しても不思議ではないことは確かだ。

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