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【編集局から】祝賀パレードを彩った「新・祝典行進曲」

 10日の天皇陛下のご即位に伴う「祝賀御列(おんれつ)の儀」で、約50台に及ぶ壮観な車列と、12万人近くの観衆に加え、パレードを彩ったのは、沿道で自衛隊や東京消防庁などの音楽隊による「新・祝典行進曲」の演奏でした。両陛下の1993年のご成婚記念に團伊玖磨(だん・いくま)氏が作曲した楽曲です。

 團氏は、黛敏郎氏、作家の芥川龍之介の三男、也寸志氏らと並び、戦後日本のクラシック音楽界をリードした人物。59年には、現在の上皇・上皇后両陛下のご成婚記念に「祝典行進曲」を作曲。現在は、学校行事や式典でも演奏されています。

 記者も中学校の卒業式で、團氏作曲の合唱組曲「筑後川」のフィナーレを飾る「河口」を歌ったのは思い出となっています。

 オペラや合唱曲から映画音楽、「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」などの童謡まで手掛けた團ですが、エッセー「パイプのけむり」なども文筆家としても活躍。作家の三島由紀夫との交流もいわずと知れた話です。團氏が三島にタクトを持たせ、オーケストラの指揮をさせる映像も残されています。三島は團氏を「ダンディズム」などと激賞。対する團氏は三島の指揮を見て「どこか女性的」と評価していたと記憶しています。(S)