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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「神」》まっさらなチャレンジ、維新の風を感じたい (1/2ページ)

 点を繋(つな)いでいく-。これは、アップルの創業者スティーブ・ジョブスが名門スタンフォード大の卒業式で行ったスピーチの一節だ。恥ずかしながら私は最近、このスピーチを知った。教えてくれたのは大学で教鞭をとる方だ。「教え子に必ず、ジョブズのこのスピーチの映像を見てもらっています」という。

 もちろん、ジョブズはスピーチの中でこれだけではなく、いろんな素晴らしい言葉を語っている。「今日が最後の日と思って…」「常にハングリーであれ、常に愚か者であれ」云々。ただ、私には「点を繋いでいく」という言葉が心に刺さった。それは、私事で恐縮だが、約30年間勤めてきた産経新聞を11月末をもって退職するのが理由かもしれない。

 記者になりたかったのは、自分の目で見て耳で確かめ、2次ではない生の情報に接することができる職業だと思ったからだ。大学時代、「知らなかった」で済まされないことを知らなかったという衝撃的な出来事があった。自らが伝える立場になり、そうしたことをできるだけなくしたかった。

 もちろん、実際に記者になって、自分の目で見て耳で聞いたことが全て正しいことではないことも学んだが…。

 会社は今年2月、50歳代の社員の早期退職者を募集した。この時期、私は何度も通っていた北海道胆振東部の被災地の厚真町に、発生から半年の取材で出向いた。改めて町長や被災しながらも前向きに生きる人たちを取材し、その方々とのつながりがとても愛しく、「記者をしていてよかった」「記者であり続けたい」という決心を裏付けてくれた。その一方で、同志ともいえる複数の同僚が早期退職に応じ、会社を去った。

 そして約8カ月。会社は第2弾の早期退職を募集した。第1弾の募集の後、私は札幌から東京に転勤となった。新しい職場では書く余裕もなくなり、朝がつらいと思うようになっていた。新聞記者という職業が大好きで、新聞というメディアの記者であり続けたいと迷ったが、今回の退職に応募することを決意した。前を向きたい、チャレンジする機会を与えてもらったと思えるようになったからだ。