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【富坂聰 真・人民日報】米国頼りの人々が期待を寄せ…バランスが取れた「ペンス演説」 単なる二進法ではない米の「対中政策」 (1/2ページ)

 いよいよ本気でアメリカを怒らせた--。

 ここ数年、メディアで繰り返されてきた解説である。とくに、おっちょこちょいなテレビのコメンテーターが多用する。

 南シナ海問題がヒートアップした2016年から朝鮮半島の危機までアメリカは本気で怒りっぱなしであった。いまは貿易戦争である。

 背後に透けてみえるのはウルトラマン願望だ。中国という「悪」を退治してくれる正義への渇望で、つまるところ他人まかせなのだ。

 まあ、日韓関係ですら自分でマネージできないのだから、そうなっても不思議ではないのだが。

 さて、そうした米国頼りの人々が最近、とみに期待を寄せているものがある。マイク・ペンス米副大統領の演説だ。

 中国に厳しい言葉のオンパレードで、中国が嫌がるすべての要素が網羅されている。みな、これに快哉(かいさい)を叫ぶ。

 もちろん、現在のアメリカが党派を超えて中国に厳しい目を向けていることは誰も否定しない。だが、そのこととペンス演説のなかで触れられている一つ一つがきちんと共鳴するのかといえば、それは怪しいのである。

 香港の民主化運動が本気でアメリカに助けを求めたとき、トランプ政権が本気でそれを受け止めるのだろうか。シリアでの対ISとの戦闘で大きな貢献のあったクルド人をいとも簡単に見捨てた政権が、本気で中国国内のウイグル人の未来を心配しているのだろうか。大いに疑問だ。

 そもそもペンス演説においても、日本でいわれているような内容なのだろうか。

 確かにペンス演説には厳しい言葉が羅列されている。だが、その刃を直接向けられた中国の反応は、日本のメディアほど大げさではない。

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