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関空がある街の「筆談マスター」 声帯摘出の大病を乗り越え、軽妙やりとり「交流が一番の薬」 (1/2ページ)

 年間3000万人近くが利用する関西空港の地元、大阪府泉佐野市に一風変わったジンギスカン料理店がある。各地から訪れる客を迎えるマスターの接客スタイルは筆談。声帯を摘出する大病を乗り越え、軽妙なやりとりで交流を楽しんでいる。

 関空対岸の南海電鉄泉佐野駅前の路地裏。日が暮れると、一帯に香ばしい匂いが漂う。香りの先にある店「チンギス」で、ラム肉や野菜が詰まった鍋を前に、店主が黙々と鉛筆を走らせていた。

 「魚と羊は足がはやい」「新『鮮』なうちにどうぞ」。漢字の組み合わせを使った筆談ならではのジョークに客席から笑みがこぼれる。大阪府貝塚市からカップルで訪れた衛藤都花沙さん(26)は「最初は少し不思議だったけど、違和感はない。手書きが温かい感じでいい」と話す。

 店を営む南憲治さん(72)は北海道で食べたジンギスカンの味が忘れられず、2006年、60歳を前に開業。長年経営したスナックで培った明るい接客と本格的な味が評判になり、地元の人や空港関係者が多数訪れた。

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