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【高橋洋一 日本の解き方】個人投資家の注文に「先回り」 濡れ手で粟も現状は規制なし…超高速取引が日本でも問題に (1/2ページ)

 個人投資家の株取引注文を超高速取引業者が「のぞき見」して利益を上げる手法が国内でも問題視されている。こうした手口が可能となっている理由や、一般投資家に防御の手立てがあるのか、考えてみたい。

 最近の証券会社の実態を知るには、『フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち』(マイケル・ルイス著)という本がいい。2014年3月に米国で発売され、大きな話題になった。

 そこでは、高速取引業者のスプレッド・ネットワークス社が登場する。シカゴとニュージャージーの間を往復すると、ベライゾン、AT&Tなどの通信会社の回線は0・01465秒から0・017秒かかるが、理論上は0・012秒となる。そこで、データセンター間をできるだけ直線で結ぶ光回線を設置し、0・013秒に短縮することで、ウォール街で荒稼ぎを提案する。

 これには伏線があった。08年のリーマン・ショックでウォール街は規制強化され健全になったといわれたが、その裏で、超高速取引が行われていた。

 この本には、有名な画面取引が消えるエピソードが出てくる。超高速取引業者によるフロントラン(先回り)があったために、各種の売買が先回りされて、コンピュータースクリーンから消えるのだ。

 こうなってくると、従来の証券会社の人では全く対応できない。人間のトレーダーよりも、コンピューターによる取引がはるかに収益を上げるので、人間が不要になっていたわけだ。

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