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ハチ撃退! 殺さずに鎮静できる活動抑制スプレー「スズメバチサラバ」 消防局や学校で好評

 スズメバチに刺される被害を減らそうと高知大教授らのベンチャー企業「KINP」(高知県南国市)が、ハチの活動を一時的に抑える忌避剤スプレー「スズメバチサラバ」を開発した。スズメバチは農業に害を及ぼす虫をかみ殺す。同社社長で高知大農林海洋科学部の金哲史教授(化学生態学)は「益虫であるハチを殺さずに、おとなしくさせられる」と説明、救急に携わる消防局、学校が購入するなど好評だ。

 金さんはスズメバチが嫌うクヌギの樹液に「2-フェニルエタノール」という物質が含まれることを発見。類似物の「ベンジルアルコール」をスズメバチにスプレーで噴射すると地面に落下し、5~20分ほど飛ばなくなったほか、スズメバチの触覚を介して効くとみられることも確かめた。

 約6年かけて2018年4月に商品化。多くの殺虫剤が効きにくいオオスズメバチにも効力が望める。使用に当たっては、人の目に入らないように注意が必要という。

 ハチに刺される被害は後を絶たない。愛媛県では17年、高齢女性がスズメバチに刺されている現場に救急隊員が駆け付けたが防護服を用意していなかったため近づけず、女性は約50分間にわたり刺され、死亡した。

 鹿児島市での金さんの講演内容を聞き付けた同市消防局が10台以上の救急車にスズメバチサラバを配備。担当者は「常備することで適切な対応につなげられる」と話す。

 今年9月には、ミツバチ用に使用成分の濃度を高めた忌避剤も発売し、養蜂家に人気という。

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