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【激動 安全保障の危機】トランプ大統領の失敗で「北朝鮮の非核化」は絶望的 日本にとって最悪な状況…防衛体制の構築が不可欠 (2/2ページ)

 それが、18年に入ると、「最大限の圧力という言葉は嫌いだ」と発言し始め、準備不十分なままに第1回の米朝首脳会談の開催(18年6月、シンガポール)を受け入れてしまった。

 その後、第2回および第3回(19年6月、板門店)の首脳会談を行ったが、首脳会談の目的が「北朝鮮の非核化」からどんどん離れていってしまった。それにもかかわらず、第4回目の首脳会談を模索しているが、北朝鮮から拒否されるという悲惨な状況だ。

 トランプ氏の対北朝鮮政策の失敗の教訓は何か。

 北朝鮮のように「力を信奉する国」に対しては、「最大限の圧力路線」が最も有効で、不用意な首脳会談などを行ってはいけないということだ。

 日本としては、北朝鮮の核・ミサイルの存在を前提とした防衛態勢を構築するしかない。その際に、米国の核の傘には依存するが、弾道ミサイル防衛の一層の充実、敵基地攻撃能力の保持などは避けては通れない。

 ■渡部悦和(わたなべ・よしかず) 元陸上自衛隊東部方面総監、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。1955年、愛媛県生まれ。78年、東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。13年退職。著書・共著に『日本の有事-国はどうする、あなたはどうする?』(ワニブックスPLUS新書)、『言ってはいけない!? 国家論』(扶桑社)など。

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