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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】月では昼と夜の温度の変化が大きい…南極で行われる宇宙服のテスト (2/2ページ)

小石から小さな粒子まで、どれも角が鋭く、ノコギリのような切れ味を持っている。それゆえ危険も多い。このほか火星には人体に有害な化学物質、過塩素酸塩が土壌に含まれていることが分かっている。これらも避けなければならない。

 でも、新型の宇宙服にも弱点が残っている。簡単には脱げない宇宙服にはまだ、宇宙オムツが必要なことだ。

 ところで、この宇宙服は、南極にアルゼンチンが持つマランビオ基地でテストされている。

 月では、赤道付近で昼は110度、夜はマイナス170度と温度の変化が大きい。このため、低温下でどのように動けるかのテストをマランビオ基地で行っているのだ。

 飛行機で行ける南極基地はそう多くはない。日本が持つ昭和基地は飛行機では行けないところにあり、補給はもっぱら船に頼っている。アルゼンチンが持つマランビオ基地は、同国が持ついくつもの南極基地の中心で、大型の輸送機が首都ブエノスアイレスから飛んでいる。

 私は、この輸送機でマランビオ基地に飛んだことがある。舗装されていない滑走路が永久凍土の上にある南極基地ゆえ、昼間はぬかるむので早朝しか着陸できない。着陸前に操縦席に入れてもらったが、短い滑走路だし、なかなかスリルのある着陸だった。

 夏でも氷に囲まれた南極基地は寒かった。この寒い基地でなければ、宇宙服のテストはできないのだろう。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『多発する人造地震-人間が引き起こす地震』(花伝社)。

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