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【激動 安全保障の危機】香港の次は台湾か 中国・習主席の「強権」で民主主義の危機 蔡氏再選なら大きな誤算、締め付け強化も (2/2ページ)

 習氏は台湾に「平和統一」「一国二制度」の基本原則を堅持すると言いながら、「(台湾に対する)武器の使用は放棄せず、あらゆる必要な措置をとる選択肢を残す」と述べ、「外部勢力の干渉や台湾独立分子」には武力行使も辞さない姿勢を強調している。

 これに対し、台湾の蔡英文総統は「われわれは『一国二制度』を絶対に受け入れない」と拒否している。興味深いことだが、香港の情勢が来年1月の台湾総統選挙に大きな影響を与えている。

 当初、苦戦が予想されていた現職で民進党候補の蔡氏が、国民党候補である韓国瑜氏を圧倒していて、現時点では蔡氏の当選の可能性が高くなってきた。中国共産党にとっては大きな誤算だが、蔡氏再選後の台湾に対する締め付けは強化されるであろう。

 最後に再度強調するが、中国共産党一党独裁こそ諸悪の根源だ。チベット、新疆ウイグル、香港などでなされている無慈悲な弾圧に対して、日本も断固として抗議すべきである。

 ■渡部悦和(わたなべ・よしかず) 元陸上自衛隊東部方面総監、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。1955年、愛媛県生まれ。78年、東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。13年退職。著書・共著に『日本の有事-国はどうする、あなたはどうする?』(ワニブックスPLUS新書)、『言ってはいけない!? 国家論』(扶桑社)など。

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